エッセイ VOL.13 『大阪ことばあれこれ』



     
「おかんの法則」10号から12号まで…
長い文をよう読んで下さいましたな。
感想メールを下さったお方々有難うございました。

新聞に載った「少年H」を読んだ高校生の感想から始まって
戦中の子供達の疎開話になり、それがエンエンと長くなって、

最後に転生話でオチがつくとは…
(おかんの「妄想・迷想・幻想」はいつ飛び出してくるか
自分でもわかりまへんのや。)

けどどこの家にも、こういう話ありますやろ?
「今度でけたあそこの孫、先代のじさまの生まれ変わりみたいやで。
目鼻口の並び具合といい、頭の形といい、じさまに生き写し
やないか。」てな話。

さて、今回のテーマは前々から一回、お話したかった
この 「大阪弁」についてであります。

おかんもこのエッセイで、さかんに大阪弁を使うておりますが
時々、外国に住んではる読者さんから
「懐かしい大阪弁を楽しみにしています。」なんてメール頂くと
嬉しくなって、ついふんだんにちりばめたりして。

でも本当のコト言うと全部が正しい大阪のことば、
という訳でもないんです。
それに最近では、日常会話も、昔からの大阪弁というもんは
おかんのまわりでもあんまり使われていないような気がします。
イントネーションは、昔のまんまですが。

きのうの新聞に載っていた話ですが、
関西の商店では、お客様に買物をして貰った時に言う
感謝のことば、「ありがとう」の大阪弁
…「おおきに」
を使う人が、最近では減ってきたという記事でした。
「おおきに」って、やわらかい、いい響きの言葉や思うんです
けどな。ちょっと淋しいです。

我々の母親の時代では、関西系のテレビドラマで喋っているような
会話が家の中でも飛びかわされていたんですけど、
小中学校あたりから「標準語運動」みたいなもんが起こり、
方言は、なんやキタナイもんのような扱いを受けるようになって
しもうたんやないかと思います。

これはあの時の担任の先生の、思い込みによるご指導だったと
今では思うけど
「ウチ(わたしのこと)」「xxやろ」「xxかまへんわ」
「xxねん」「xxせんといてんか」「あほ」

などの言葉を友達同士で使うと叱られた記憶がある。
まあ、あんまりきれいな方の大阪弁ではないですけどね。

だからいまでも、おかんは家の中でも、
うち(わたし) おおきに(ありがとう)
あきまへん(いけません) 言うたやろ(言うたでしょ)
そやさかい(そうやから) 言わんといて(言わないで)

などの言葉は、このカッコの中の、標準語に近い方を使っている
ような気がします。
外で、ちょっと気イ使う人と喋るときなんか、標準語を無理して
頻発して、大阪弁にミックスさせた変な言葉をつい使ってしまい、
それこそあとで「アホちゃうか」と自笑しています。
みなさんはどうですか?

外向けには、共通語としての標準語を使い、
内側は、馴れ親しんだ方言を使うというのが、今まで日本人の
パターンやったのが、テレビの影響で方言そのものが、すたれて
ゆく方向にあるんですやろな。

話は変りますが、この「アホちゃうか」の言いかえは
むずかしいですナ。
「バッカみたい」とはニュアンスがちがう。
大阪人はまたこの言葉を親しい人同士の間ではよく使います。
相手をバカにしてという意味あいはゼロに等しく、親しみを込めて
笑いとばす時に使うんですけどね。

昔の船場のごりょんさんなんかがゆったりと喋ってはった
「船場ことば」というもんが、大阪弁の代表なのか、
あるいは河内弁に代表される荒っぽい?ことばがミックスされて
「大阪弁」と言われるのか、おかんも勉強不足でホントのこと
言えませんが、

最近は特に、テレビでヨシモトの芸人さんを中心とした、
ポンポンと早口のアクの強い大阪弁が全国に流されて、

「あれがホントの大阪弁や思うてもろては困ります。」
と、内心苦々しく思っておられる関西のおひとも多いんやないかと
思います。
大阪の街では「美しい浪花ことばを残そう。」という会も
ずいぶんと前から出来ているそうですワ。
じゃあ、「ホントの大阪弁とは?」といわれても、勉強不足の
おかんには一言で言えないんですけど…

書き言葉としては、田辺聖子ハンが小説の中で、縦横無尽に
駆使されているし(カモカのおっちゃん大好き)、話し言葉では、
今は亡き浪花千栄子さんや、女優を引退して作家となられた
高森和子さんなどの大阪ことばは「本物」という気がするし、
男性ではもちろん、上方落語の師匠たちのゆったりとした
おおらかな「しゃべくり」に魅せられる。

先日、テレビを観ていて「見直した」のは、いまをときめく
フェロモン女優の藤原紀香さんの、とてもゆったりはんなりした
女性らしい大阪弁でした。(関西出身のおかた?)

やはり「美しいしゃべりかた」いうもんは、標準語、方言に
かかわらずその人の「品性」というもんが出るので、
特に子供を持った母親は小さい時からの教養として身につけさせな
アカン思いますわ。(なかみも言葉も磨かなくっちゃね。)

美しい喋りかたいうもんは、とくにおなごはんの大きな
「武器」でっせ。




本日のおかんの法則

「口から出入りするものは、十分吟味しなければならぬ。」